食材を生かす上品な味付け、
豊かな味わい
新年を寿ぐおせち料理。京都では古くから「お重づめ」とも呼ばれ、正月三が日、ご挨拶にお越しになるお客様を心からもてなしてきました。重箱もおめでたい模様の京蒔絵が施されたものが使われ、伝統の粋が食卓を彩ります。
おせちは日持ちを考えて味が濃厚となりがちですが、京都のおせちは「上品な味付け」となっています。それぞれの素材を生かすために、出汁を効かせて、やさしく味わい深く仕上げるのです。
数の子、黒豆、田作り、たたきごぼう、紅白かまぼこ、伊達巻、栗きんとん…。これらおせち料理の定番はこの一年を幸せに暮らせるように願いが込められています。そして京都のおせちには、“出会いもの”と呼ばれる料理が登場することもあります。海と山で同時期に旬を迎える食材が互いの良さを引き立て合い、豊かな味わいを生み出している「鰤大根」や「海老芋と棒鱈の炊き合わせ」が代表的です。
一方、魚介を使った一品としては、甘鯛(グジ)やカレイ、鰆などは西京漬けに。京の都は海から遠いがゆえ、魚介や食材の美味しさを閉じ込める技が磨かれてきました。京都ならではの低塩で甘みのある白味噌(西京味噌)を使い、魚本来の持ち味を生かし風味豊かに仕上げた西京焼きは、おせちの定番にもなっています。
彩り美しい盛り付けも、
はんなり華やか
こうして手間をかけて丁寧に作られた一品一品が繊細に盛り付けられた「彩りの美しさ」も京都のおせちの特色といえるでしょう。プロの料理人なら「飾り包丁」で人参や筍を細工することも。このように年に一度のハレの日を祝う華やかな演出は欠かせませんが、決して派手になることなく流麗にまとまるように色味も工夫されています。
京都の食文化が凝縮されたおせちを、京都市ふるさと納税の返礼品として多数ご用意しておりますので、ぜひご賞味ください。