京のおもてなし、“美学”をつなぐ
花を愛で、また、お茶や香りを楽しむ。そんな人々の営みが、京都では華道や茶道、香道など「道」という哲学になり、文化として成立してきた歴史があります。
たとえば茶道では、お招きする客人のことを思い、季節感も取り入れながら、茶碗や棗などのお道具を一つ一つ用意する。花を入れ、炭を継ぎ、香を炷く。こうした「もてなし」、「しつらい」の美学が息づいています。このような日本独特の感性や美意識も、京都の伝統文化を形づくっているものの一つです。
今も息づく伝統の芸、舞
伝統建築のお茶屋や料亭などが軒を連ねる町並みが、京都の風情を醸し出す花街。芸妓さんや舞妓さんは舞や舞踊、三味線などの芸事に精進し、茶道や華道といった教養も身につけます。そしてその華やかな装いは、すべて伝統の逸品ばかり。まさに京都に息づく伝統文化を体現している存在といえるでしょう。
千年を超える時間の中で育まれ、受け継がれてきた京都の伝統文化。多くの方に関心を寄せていただき、その魅力にふれていただくことが、伝統を未来へつなぐための大きな力になります。